君子豹变。小人革面。(jūn zi bào biàn。 xiǎo rén gé miàn。)
君子は豹変す。小人は面を革(あらた)む。
君子は豹の毛が生え変わるように美しく変化する。取るに足らない人物は顔の表情を改める。

「君子豹変」。非常に有名な成語です。日本では自分の都合によって態度を一変させるという悪い意味で使われることが多くなっていますが、実はその本当の意味は非常に含蓄に富んでいます。

ご存知ない方も多いと思いますが、「君子豹変」は『易経』の「革の卦」に出てくる文言です。革命、改革という言葉の中にも見られるとおりこの『易経』の「革」の卦は変革に関連する卦であり、「君子豹変」という言葉の他に、「大人虎変(大人は虎変す)」という言葉も出てきます。

さて、「君子豹変」の出典となった箇所を実際に原文で読んでみると、「君子」と「小人」が対比されています。つまり、「君子豹変」の意味を正確に把握するには対比されている「小人革面」の意味を踏まえなければならないということになります。

その「小人革面」の意味は、取るに足らない人物は何らかの誤りに気づいたときに上辺や表面のみを変えてやり過ごそうとするということです。「君子豹変」ではこれとは反対に、君子=大人物はそのような小手先のごまかしではなく、大改革、本質的な改革を行うものだと言っていることになります。

以前に易経は箴言集としても読めると紹介しましたが、君子は理想像であるため「君子~」=「We should~」、小人は悪い見本であるため「小人~」=「We shouldn’t~」と解釈して読み替えることができます。従って、この文言の場合「君子豹变。小人革面。」は「何か誤りに気付いたら根本的に改革すべきだ。表面のみを改めるのみではいけない。」というように変換できます。もし易経を箴言集として読みたいという場合、このように読むとすんなり入ってくることが多いため是非試してみてください。

Written by 岡安草莱

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