中心疑者其辞枝

【書き下し】

【現代語訳】

zhōng xīn yí zhĕ qí cí zhī

中心疑う物は其の辞枝(わか)る

心中に迷いがある人の言葉はぶれる

【解説】
『易経』繋辞伝に出てくる言葉です。ある物事について確信が得られていなかったり、迷いがあったりする場合は必ずそれが言語に反映されると説きます。つまり言葉が支離滅裂となり枝(わか)れてしまうということです。

例えば、将来の夢を聞かれたとします。これだ!という確信的なものがない人はその時の心境によってAと答えたりBだと答えたりあるいはCだと答えたりしてしまうわけです。従って、その人はまだその問いに関して迷いがある、確信がないと判断できます。

これは他人の心を観察するのに資するのみならず、自分の心を見極めるのにも応用できると思います。自分の言っていることがぶれていると感じる場合は心に迷いがある、あるいは確信がないという自己認識を得ることができるというわけです。

『易経』には言葉の使用に関して深い洞察を得られる金言が多くあるため、引き続き紹介していく予定です。

Written by  岡安草莱